堺雅人(真田信繁役)

04年『新選組!』、08年『篤姫』以来、3度目の大河ドラマ出演にして初主演。

同じ三谷幸喜脚本の『新選組!』では新選組総長・山南敬助を演じた。山南は主役の近藤勇(香取慎吾)と試衛館以来の同士で、土方歳三(山本耕史)らと並んで主役に匹敵するくらい魅力的に描かれていた。そのどこか掴みどころがなく飄々とした堺独特の個性とあいまってこれは大きな反響を呼び、明里(鈴木砂羽)との別れと切腹のシーンを描いた第33回「友の死」は年末にアンコール放送されたほどである。

『篤姫』では篤姫の夫で徳川13代将軍の徳川家定を演じた。うつけのふりをしていた聡明な君主。そう聞くとはじめは陳腐な設定なようにも思えたが、これが劇中でもっとも効果的かつインパクトのあるキャラクターを作り出していた。堺の確かな演技とその個性がなければ成しえなかった役だろう。近年の大河では異例の視聴率アップ(初回20.3%、平均24.4%)の最大の立役者といってもいい。

以上のような役柄を過去の大河で演じていたためか、勇猛果敢でマッチョなイメージが先行しがちな「真田幸村」の役に堺雅人は合わないのではないか、という声もちらほら聞こえていた。では、稀代の知将・真田昌幸の後継者「真田信繁」の役ならどうであろうか?公式サイトにある脚本家のインタビューを読む限り、大河にまた一つ、個性溢れる魅力的なキャラクターが生まれそうである。

大泉洋(真田信幸役)

大河ドラマ出演は10年『龍馬伝』以来の2度目。

『龍馬伝』では龍馬(福山雅治)と同郷の近藤長次郎を演じ、その最期は隊を離れての切腹という、奇しくも堺が演じた山南敬助(04年『新選組!』)と同じ道を辿った。長次郎の最期を描いた第34回「侍、長次郎」も『龍馬伝』で屈指の印象的な回となったが、それも町人出身ゆえの屈折した心情と脱退までの葛藤をうまく演じられていたからだろう。

今回は町人ではなく武士の中の武士である真田家の嫡子を演じる。NHK新大型時代劇『真田太平記』(1985年)では、信幸(渡瀬恒彦)は父・昌幸(丹波哲郎)もが恐れる才気煥発な人物として描かれており、それを渡瀬恒彦は威厳のある演技で見事に演じきった。今回の『真田丸』でも「平凡で四角四面なお兄さん」だけではいられないはずである。新たな信幸像が今回もまた打ち立てられることを期待する。

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