S:第21回「戦端」と第22回「裁定」で沼田裁定の前後の様子が描かれ、第23回「攻略」と第24回「滅亡」で忍城の戦いを含む小田原征伐と北条氏政(高嶋政伸)の死が描かれた。そして第25回「別離」では、豊臣秀長(千葉哲也)、千利休(桂文枝)、鶴松(早坂ひらら)が次々と死んでいく。

M:これだけ氏政・氏直(細田善彦)父子をクローズアップした大河って初めてかも。

S:板部岡江雪斎(山西惇)も。北条家って主にこの3人しか登場しなくて、それで4回もよく持ったなという印象。

M:板部さん、板部岡さん、板部岡江さん…『真田丸』のおかげで区切り方がわかった人も多かったはず(笑)。

S:あれだけ家康(内野聖陽)を絡ませていたんだから、督姫も見たかった。督姫は家康の娘で氏直の正室。氏直死後は池田輝政と再婚し、輝政が外様一の出世をしたのもこの督姫の力によるものとも。

M:督姫より小田原征伐前にひっそりと死んだはずの旭(清水ミチコ)をもう一度見たかったな…ドラマでは今のところ触れられていないけど、氏直も翌年の1591年11月4日に30歳の若さでひっそりと死んでいる。殺されたのかな。

S:さあ。死因は疱瘡とされており、この時代の疱瘡は半数以上が死ぬ難病。豊臣秀頼や伊達政宗もこの疱瘡で生死をさまよっている。氏直は高野山に入った後に秀吉に許され、大坂で1万石の大名として復活。氏直死後は養子の氏盛がこれを継いで初代狭山藩主となり、北条家は幕末まで続くことに。

M:その氏盛、関ヶ原の戦いに東軍で参戦していて。もし氏直が生きていれば氏直も関ヶ原に…と考えてしまう。娘婿なんだから、輝政のように出世してたかも。

S:その関ヶ原の放送、レビュー(1)でも少し触れたけど、最低でもリオオリンピック後の第34回(8月28日)以降になりそうな。

M:『真田丸 後編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)』には第29回までのあらすじが掲載されていて、第26回のサブタイトルが「瓜売」、第27回が「不信」、第28回が「誤解」、第29回が「異変」。脚本が遅れに遅れているというこんな記事も。

「真田丸」に緊急事態発生か 三谷幸喜氏の脚本が遅れまくり?(日刊サイゾー)

S:関ヶ原もまだどうなるかわからないね。ドラマ・ストーリーは中身読んでないからまた勝手な想像だけど、第27回から第29回で、秀次(新納慎也)が今までになく大きく取り上げられそう。

M:秀次の死は本作最大の悲劇になりそうな予感。ウザカワきり(長澤まさみ)ちゃんも深く関わってきそうだし…

S:第25回「別離」も結構な悲劇だった。

M:悲劇やら喜劇やらいろんな要素がごた混ぜの回だった……。

S:それが「死の舞踏」を思わせた。個人的には一二を争う名回だったけど、迷回だったって人も多そう。

M:うん、迷回だった。でも最後の秀吉(小日向文世)の演技と演出は凄く印象的で、あの表情からは冥界というものを垣間見ることができた(ような気がする)。三成(山本耕史)の裸も見られたし。

S:茶々(竹内結子)は寧々(鈴木京香)の手によってなんとか現実の世界に引き戻されて。たしかに明解な回ではなかったけど、第19回「恋路」、第20回「前兆」から続く重要な転換点に。

M:そういえば第25回というとちょうど折り返し点。『新選組!』では芹沢鴨(佐藤浩市)を泣く泣く暗殺して「新選組」が誕生したところ。

S:『真田太平記』では「犬伏の別れ」で父と弟と別れた信幸(渡瀬恒彦)が懊悩しているところ(全45回中第22回辺り)。

M:最後まで無事に書き上がるか脚本……。

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