内野聖陽(徳川家康役)
98年『徳川慶喜』、07年『風林火山』以来、3度目の大河ドラマ出演。また視聴率20%超えを記録したTBS『JIN-仁-』(2009年・2011年)では、坂本龍馬を演じて大きな反響を得た。
『徳川慶喜』では主役の慶喜の長兄で水戸藩第10代藩主の徳川慶篤を演じ、2度目の大河出演となる『風林火山』では主役(山本勘助)を務めた。それまでの知名度からいえば大抜擢といってもよいだろう。近年の大河がホームドラマの要素を強くするなか、『風林火山』は久しぶりの「本格」大河、「重厚」大河を志向して制作され、内野はここで乱世を生きる実に生臭い勘助を演じきった。
今回はその勘助が仕えた武田軍団にコテンパンにやられた徳川家康ということで、勘助の生臭さは残しつつも、より人間的な弱さをあわせ持ったキャラクターになっている。このような家康はおそらく大河では前例のないものとなるだろう。天正壬午の乱や関ヶ原の戦いを経て、この家康がどのように天下人としての風格を備えていくのか、あるいは時代の傍観者・真田信繁の目を通してどのように変化していくのか、その辺が本作の最大の見どころの一つとなりそうである。
近藤正臣(本多正信役)
過去の大河ドラマ出演は、70年『樅の木は残った』、73年『国盗り物語』、78年『黄金の日日』、83年『徳川家康』、91年『太平記』、99年『元禄繚乱』、03年『武蔵』、06年『功名が辻』、10年『龍馬伝』の9回を数える。
『国盗り物語』では2度目の大河出演にして、物語のキーパーソンとなる明智光秀を任され、以降も『黄金の日日』の石田三成など、大河ドラマで重要な役どころを担っていく。『龍馬伝』では第17回のサブタイトル「怪物、容堂」のとおり、何ともオドロオドロしい山内容堂を演じたが、今回は同じく老獪ではあるものの、家康を父親のような温かい目で支える役柄となりそうだ(正信と家康の実際の年齢差は4)。
藤岡弘、(本多忠勝役)
大河ドラマは、74年『勝海舟』、79年『草燃える』、81年『おんな太閤記』、85年『春の怒涛』、89年『春日局』、94年『花の乱』以来、22年ぶり7度目の出演。
大河初出演となった『勝海舟』では坂本龍馬、『おんな太閤記』と『春日局』では織田信長を演じている。また、オールスターキャストとなったTBS『関ヶ原』(1981年)では加藤清正を演じ、肉体派で血気盛んな役柄をうまく表現していたが、今回の本多忠勝は同じ体育会系ながらも、慈悲深くもどこか滑稽なキャラクターとなっており、家康に対する時の正信とのコントラストが面白い(忠勝と家康とでは忠勝のほうが6つ歳下)。
筆者
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好きな言葉:塵も積もれば山となる
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