草刈正雄(真田昌幸役)
大河ドラマは、76年『風と雲と虹と』、94年『花の乱』、97年『毛利元就』、05年『義経』、08年『篤姫』、11年『江』以来、7度目の出演。
大河ドラマの枠ではないが、それに準ずるNHK新大型時代劇(大河ドラマの「近現代三部作」を受けての別枠)の『真田太平記』(1985年)では、本作の主役・真田幸村(信繁)を演じた。そこでの幸村はおおらかで感情表現がとても豊かな人物として描かれており、それは草刈が放つ陽性の性質とうまく融合して「真田幸村」の一つの型を確立したようにも思う。
草刈は今回の出演に際して、その『真田太平記』で昌幸を演じた丹波哲郎の演技を常に意識していると語っていた。どこまでも影のある表現を追求できた丹波哲郎と、どこまでもおおらかな表現を追求できる草刈正雄。三谷脚本でこそ生きるのは後者であるはずなので、丹波哲郎の昌幸とはまたひと味違う昌幸像が提示されることになるだろう。
平岳大(武田勝頼役)
08年『篤姫』、11年『江』以来、3度目の大河ドラマ出演。
第1回「船出」でもっとも評価が高かったのが、上の草刈正雄演じる真田昌幸とこの平岳大演じる武田勝頼だろう。源次郎(信繁)の「哀しいお方」という言葉が端的に表しているとおり、武田家の命運を一身に背負ったその哀愁漂う演技が話題になった。
徳川家最後の将軍となる一橋慶喜を演じた『篤姫』でも、タイプこそ違えど滅びゆく者の哀しさを印象的に表現していた。勝頼は第2回「決断」で自害に追い込まれることになるが、その時の父・信玄へ向けての「(あの世で)四郎をたっぷりお叱りくださいませ」という台詞がまた哀しく涙を誘った。
林邦史朗(武田信玄役)
大河ドラマなどの殺陣師を半世紀にも渡って務めた伝説的な殺陣師。大河への出演も、70年『樅の木は残った』、76年『風と雲と虹と』、82年『峠の群像』と3度を数える。2015年10月29日にすい臓がんのため世を去っており、この『真田丸』が文字通りの遺作となった。
筆者
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好きな言葉:塵も積もれば山となる
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