M:昨日、5月7日は大坂の陣最後の戦い、つまり天王寺・岡山の戦いがあった日で、真田信繁の命日でもある。このGWは『真田丸』に関連したイベントも多く、昌幸(草刈正雄)さんは関西だけでも、1日に京都競馬場、4日に大阪駅(「真田丸」展)、8日に九度山(「紀州九度山 真田まつり」)と大忙し。

S:4月29日の『ニコニコ超会議2016』「超・真田丸」にも甲冑姿で出ていた。翌30日には三成(山本耕史)も登場し、関ヶ原時の甲冑姿を初披露。

【ニコニコ超会議2016】三成・山本耕史“不快演技”の秘訣は「目そらし」 甲冑姿を初披露(ORICON STYLE)

M:タイムシフト視聴でチェック……三成はこれから人間臭さがどんどん出てくるみたい。その大きな転機となるのが、トークショーでも話題になった忍城攻めの失敗なのかな。この忍城攻めは「大坂編」の大きな見どころの一つになりそう。

S:忍城の戦いまで撮影は終わっていて、その時の甲冑は関ヶ原の時とは別物と。 忍城の戦いが大河でちゃんと描かれるのは珍しい。『のぼうの城』で一躍有名になった戦いでもある。

M:石田、大谷、上杉、真田と、『真田丸』のキーマンが勢揃いしちゃう合戦でもある。その大谷吉継(片岡愛之助)は『真田丸』では数少ない聖人枠に……。

S:でも第16回「表裏」では、三成と一緒にちゃんと利休(桂文枝)の追い落としを画策している。そこが『真田丸』の一筋縄ではいかないところ。そして、人間らしくなっていく三成とは対照的に、どんどん残忍さを増していくのが秀吉(小日向文世)なのだろう。その狭間で、悲しむことをやめた茶々(竹内結子)はどう変化していくのか。

M:無邪気と邪気、どちらを増幅させていくのか……茶々(淀殿)というと、三成以上に悪く描かれることが多いからどうだろ。

S:傾国の美女というよりは、秀頼を自己の所有物にして豊臣家を滅ぼした今流行りのモンスターマザー。そんな風に描かれることがほとんどだったから、同じ滅ぼすにしても、なんらかの美学を持って滅ぼしてもらいたい。

M:秀吉晩年の残忍な行為も秀頼可愛さのあまり……で片付けられることが多い。天下の重みを子供への偏愛だけで語ってほしくないな。

S:『平清盛』(2012年)の清盛(松山ケンイチ)の晩年はその辺も含めて綿密に描かれていた。そして晩年になればなるほど視聴率も下降。そこを一つ一つはっきりさせていくと、どうしても暗くなるから視聴率も下がる。

M:『秀吉』(1996年)では、(2)でも少し触れたように信長(渡哲也)の本能寺が伸びたためか、秀吉(竹中直人)の晩年ははっきり描かれなかったから、同じ竹中直人が秀吉を演じる『軍師官兵衛』(2014年)に期待したんだけど…秀次切腹も朝鮮出兵も、結局すべて三成(田中圭)の仕業ということに(笑)。

S:三成は小牧・長久手の戦い後の徳川征伐にも賛成で、官兵衛(岡田准一)はそれにも反対、朝鮮出兵も反対と、やけに平和主義な軍師として描かれていた。

M:合戦以外にも活躍の機会はいくらでもあった三成ら文治派と、合戦以外にはあまり活躍の機会がなかった清正や福島正則ら武断派。三成が合戦にこだわる理由は少ないと思うんだけど……。

S:その文治派と武断派の間で、秀吉は天下人としてどう振る舞うのか。そして近年、その実像が見直されつつある加藤清正(新井浩文)はやっぱりただの武断派として描かれるのか。その辺りも見どころの一つ。

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