ヴァイオリンと管弦楽による協奏曲の形式をとる。同じくヴァイオリンのソロが活躍するNHK新大型時代劇『真田太平記』(1985年)OP曲のオマージュなのかもしれない。ただ、年月は30年も経ているにもかかわらず、こちらのほうがよりクラシック(古典的)。はじめのうちはこの曲を思い出そうとすると、どうしてもサン=サーンスのある曲が脳内で再生されてしまった。
作曲家の服部隆之はパリ音楽院の出身。それも短期的な留学などではなく、高校を2年次に中退して1983年から88年の間、この多感な時期に5年間どっぷりとフランス音楽に浸かっていたようだ。サン=サーンスもこのパリ音楽院の出身である。日本では軽視される傾向にある作曲家だが、フランスにおける存在感は100年前も今も大きい。
「地味」とか「渋い」と言われがちな今回の主題曲。何度聴いても飽きないどころか、聴けば聴くほど味が出てくるのは、5年間のクラシック音楽教育の下地によるものだろうか。ともあれ、同じ作曲家の手による大河ドラマ『新選組!』(2004年)OP曲のような、推進力や大きなインパクトこそないものの、毎週聴いても聴き飽きない音楽になっていることは確かである。
筆者
最新記事
- 2017.08.29人ヨハネス・ブラームスの性格分析
- 2017.08.25人ロベルト・シューマンの性格分析
- 2017.05.23名所旧跡和歌山城―紀州徳川家の居城
- 2016.12.06人豊臣秀吉の性格分析