直虎と4人の男たち

M:もうすぐ折り返し地点だ……。

S:昨日までの大まかな流れを見ると、第1回「井伊谷の少女」から第4回「女子にこそあれ次郎法師」で主人公の直虎(柴咲コウ)、直親(三浦春馬)、小野政次(高橋一生)の幼少期が描かれ、第5回「亀之丞帰る」から第12回「おんな城主直虎」で成人した3人の再会と奇妙な三角関係、そして直親との永遠の別れが描かれる。ここまでが序盤といえる。

M:第9回「桶狭間に死す」で父・直盛(杉本哲太)が戦死し、その後も直親、祖父・直平(前田吟)、中野直由(筧利夫)が立て続けに死んで、直虎と中野直之(矢本悠馬)、奥山六左衛門(田中美央)の3人+政次だけになったとき、井伊家だけでなくこのドラマオワタと思った。

S:直虎と直之の罵り合いがあと少しでも続いていたら離脱していたかも。

M:徳政令の話の間ずっとやっていたような気がする。

S:それが第13回「城主はつらいよ」から第15回「おんな城主 対 おんな大名」まで続き、その間に方久(ムロツヨシ)が登場し、第16回「綿毛の案」からは龍雲丸(柳楽優弥)もちょくちょく出るようになる。

M:第17回「消された種子島」では直親の息子・虎松(寺田心)、第20回「第三の女」では直親の娘(?)・高瀬(髙橋ひかる)にもスポットを当て、第21回「ぬしの名は」から昨日の第23回「盗賊は二度 仏を盗む」は龍雲丸の回だった。

S:家老の政次、商人の方久、盗賊の龍雲丸、そして僧侶の傑山(市原隼人)と、いろんな立場の男たちが直虎を見守って支える。

M:まさに逆ハーレム。放送前に「直虎と4人の男」というキーワードが出てたけど、その4人の男って、直親、政次、龍雲丸と直政(菅田将暉)になるんだ。

S:最後の1人は、子供の時からずっと側にいて見守っていた傑山かと思った。

M:龍雲丸も武士の子だったみたいだしあくまで武士枠なのかも。

S:「4人の男」は直親→政次→龍雲丸→直政とリレー方式で直虎を支え、子供の時から死ぬまでずっと側にいる傑山は特別枠になると予想。

M:勝手に直虎が死ぬまで死なないことにされてるけど、直虎が小さい時にすでに市原隼人だった傑山っていったい何歳なの……。

4人の男とその役者たち

S:「4人の男」のうち最初に死んだ直親を演じた三浦春馬は今年27歳。柴咲コウは今年36歳、高橋一生は今年37歳。始まるまではどう見ても幼馴染には見えないだろなと思った。

M:三浦春馬って最近あまり見る機会がなかったけど、凄く逞しくなっててビックリした。2013年の映画『永遠の0』の時でも華奢な感じがしたのに。

S:うん、身体の面でも演技の面でも線が細いイメージがあった。発声も所作も綺麗だしこれから大河で重宝されるのでは。

M:三浦は十代の時に『武蔵』(2003年)と『功名が辻』(2006年)に出ていて、高橋も『元禄繚乱』(1999年)、『新選組!』(2004年)、『風林火山』(2007年)、『軍師官兵衛』(2014年)から5度目の出演になる。

S:『元禄繚乱』は見てないからわからないけど、『新選組!』→『風林火山』→『軍師官兵衛』→今回と、着実にステップアップしている。

M:『軍師官兵衛』の井上九郎右衛門の時も出番はかなり多かったのに、脚本のせいか自分の頭のせいかあまり印象に残らない御家老様だった。

S:共通しているのはマジメで穏やかという点。今回は打って変わってかなり印象的なキャラクターになっている。

M:マジメなことはマジメだけど、内に激しさと秘めたる思いを抱えていて。なんてキュンキュン設定。

S:「すけこまし」直親と違ってとても美味しいキャラ。死んで二度美味しい。直親も政次もそれを前提にしたとても効果的な演技をしている。

M:政次が死んだら女子の視聴者減るだろなぁ。

S:第21回~第23回でその政次を凌ぐ存在感を見せているのが龍雲丸。柳楽優弥って知らなかった。

M:いやいや、カンヌの男優賞を史上最年少で取った時は結構な社会現象になったけど。いったいどこの国で生活してたの……。

S:2004年……『新選組!』だけは見るようにしてたんだけど。とにかく、大河で架空人物が成功することは少ないなか、その独特の風貌と雰囲気がキャラクターにマッチしていて物語を引き立てている。うん、さすが。

M:香川照之と長澤まさみを架空忍者で使う贅沢な大河が10年ほど前にありましたとさ。

S:その時の井伊直政が妙にオネエ言葉だったのがトラウマ。

M:篠井さん、架空忍者ならハマってたかもしれないのに。

S:オネエ言葉で若き日の長澤まさみをこき使う架空忍者なら大歓迎。

M:ともあれ、今作では篠井英介のイメージを払拭するような井伊直政を期待したいところ。

S:切に期待。

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